I してる

愛されたいし愛したい

次の春で待ってるね。


1ヶ月程前に春を終えてから、ずっと恋愛ソングばかり聴いている。それも、片想いとか、失恋とか、少し悲しい曲ばかり聴いている。首をもたげて泣いているわけでも、あなたのいない世界に私はいないと思ってるわけでもない。でも、そんな歌が妙にしっくりきてしまう。




春の彼は、冬よりもさらに、ツアーバックの姿よりさらに、かっこよかった。


ダンスがとても柔らかくなったように見えた。柔らかいけど、ブレなくて、きちんと止まって見えた。柔らかく見えたそれが他の人にどう映ったのかはわからないけど、私は、とても好きだった。夏よりも、冬よりも、好きだった。



 すっかりローラースケートを履いた姿が板についていた。黄色いそれを履いて、花びらのついたピンクのジャケットと花びらを思わせる布をはためかせて、ステージをくるくると舞った。時折楽器を弾くメンバーと微笑みながらくるくると、すいすいと舞っていた。季節を連れてくる妖精のように見えた。歌の通り、さくらのようなきみでした。



コントも面白かった。彼らが作ったもので、会場が笑うことも、ステージ上のみんなが笑うのも、自分のことみたいに嬉しかった。彼自身もすごく、すごく楽しそうだった。見学に来た先輩に褒められて同期である大吾くんと小さくガッツポーズし合う姿はなんだか胸が熱くなった。



嫌いな姿も見た。失敗するとフニャっと笑うのは癖なのだろうか。思わず手元のメモに笑うなと殴り書きをした。確か、冬も笑っていた。ローラースケートを履いたまま転んでも笑っていた。悔しそうな表情が見たいわけではない。失敗をも失敗と思わせない姿でいて欲しかった。転んでも、受け取るべき扇子を落としても、転んでないような、受け取ったかのような表情でいて欲しかった。でも、時折見るこんな未完の姿が好きだ。



結局は彼が大好きだ。素敵で、楽しくて、魅力が詰まった春だった。




4月10日。彼は、「大学受験をします」と言った。はっきりと、そう宣言した。大吾くんに「本当に宏志朗は賢いから!」と言われて、少し恥ずかしそうに、だけど嬉しそうな満更でもなさそうな柔らかい表情だった。それから「受験もあるし、ここ(春松竹)ももう終わるしやりきります」とも言った。



わたしは、泣いてしまった。まっすぐと言いきった姿を見て泣いてしまった。すごく、すごくかっこよかったから。でもやり切るという言葉の意味を考えて泣いてしまった。すごく、すごく切なかったから。



Sexy Zoneのバックに居なかった。まいどジャーニーのショータイムに居なかった。わかっていたけど、寂しかった。



でも彼は今、頑張るべき場所を将来のためにと学校生活へ絞ったのだ。お休みは2度目。1度目を、わたしは知らないけれど、きっとその時と同じようにまた戻ってきてくれるでしょう?ずっとずっと両立をきちんとしてステージ上ではキラキラと、かっこよくて時には可愛くて、たまにドキッとさせてくれた彼だ。「やりきる」と言ったその言葉通り、きっと現役合格を決めて帰ってくるに違いない。キラキラした衣装を学生服に着替えて、マイクをシャーペンに持ち替えて、宏志朗くんは夢に向かって頑張っているはずだ。


だから、わたしも今日まで聴きつづけた悲しい歌はもうやめよう。決して悲しい春ではなかったから。首をもたげてなく必要も、あなたのいない世界に私はいないと悲観する必要もない。


あの冬を越えて、もっと素敵なった宏志朗くんはこれを越えたらもっともっと素敵になって帰ってくるんだ。





素敵で、楽しくて、魅力が詰まった春でした。彼にとって、わたしにとって、節目の春でした。大切な思い出になった春でした。


次の春で、待ってるね。